このたび第3回瘢痕・ケロイド治療研究会を、長崎大学医学部形成外科学講座が担当させていただきますことを大変光栄に存じます。昨今、学会や研究会の増加により参加者の負担が大きくなっていることを考慮し、第
10回日本褥瘡学会に引き続き同会場で開催させていただきますことを森口隆彦会長にお願い致しましたところ、快くお許しをいただき、今回初めて関東地区以外で開催することとなりました。この場をお借りして森口隆彦先生には改めて感謝を申し述べさせていただきます。
そもそも長崎大学医学部形成外科学講座は、創設者の難波雄哉先生が原爆による皮膚潰瘍と瘢痕拘縮の治療を手がけられたことから始まりました。これらは一般には放射能と原爆ケロイドとして語り継がれていますが、半世紀以上経過した今日、ケロイド治療に放射線のひとつである電子線を利用し、これを討議する場を担当させて頂きますことに何かしら因縁めいたものを感じております。
2日間のプログラムでは、3名の外国人特別講演を企画致しました。Asan Medical Center 形成外科の Joon Pio Hong 先生には「ヒト組換え型増殖因子を用いた瘢痕軽減について」お話をいただき、サイトリ・セラピューティクス社の Presidentであり脂肪幹細胞研究で高名な Marc Hedrick 先生には「形成外科での細胞療法の活用について」ご講演いただき、イタリアのピサ大学皮膚科の Marco Romanem先生には「瘢痕の評価について」のご講演をお願いしております。また、パネルディスカッションとして、ケロイド分類(評価)の点数化の試みと題して、3名の先生方にご提案を披露していただき多彩な臨床像を示すケロイドの客観的評価への足がかりにしたいと思います。
その他一般演題として16演題ものご応募を頂いており、昨年までと同様に活発な御討議をお願いしたいと思います。
神戸国際会議場は海岸沿いの立地とはいえ、まだまだ残暑が厳しいことが予想されますが、皆様の積極的なご参加をお願い申し上げます。
「The Use of
Nepidermin(rh-EGF) against Scar Formation」
座長:福岡大学 形成外科 大慈弥 裕之
演者:Asian Medical Center, University of Ulsan,
Department of Plastic and Reconstructive Surgery
Joon Pio Hong